林芳正・王毅会談(2023.02.18)

 2月18日のミュンヘン安全保障会議の場で、G7外相会談や、林芳正外相と中国の王毅政治局委員との会談が持たれた。

 日本側の報道は時事通信によると以下の通り。

www.jiji.com

 日本側は、最近話題の気球問題を持ち出したようだ。また、尖閣諸島台湾海峡問題・ウクライナ戦争について触れ、中国に責任ある対応を促したという。

 

 また、新華社の報道は以下の通り。外交部の発表と同じである。

www.news.cn

 日本ではあまり報じられないが、中国では連日福島原発処理水の放出が問題視されている。そのことについて王毅は懸念を提示した。一方で、今年の日中平和友好条約45周年に触れ、内外の干渉を排除して中国とともに歩むことを期待している。一国主義やサプライチェーンの切断は双方の利益にならないと主張した。

 対中半導体規制については、撤回してアメリカと共同歩調をとらないでほしいという要請と読むのが自然だろう。

 中国の外交方針は、全体的にはソフト化しているように見えるし、日本に対してもきつい物言いではなくなっている。できれば日本や欧州には、アメリカと共通歩調をとるのをやめて中国とのつながりを続けてほしいということだろう。

 また、新華社の報道の最後に

双方还就一些国际地区问题交换了意见。

 とあるのは、日本側が持ち出した気球問題などのことを含んでいるのだろう。